統合失調症のLAI治療について
統合失調症は、幻聴や被害妄想などが症状の病気です。基本的にはお薬による治療を行っていくことになります。
目次
統合失調症とは
統合失調症は、考えや気持ちがまとまらなくなる状態が続く病気です。
100-120人に1人かかるといわれており、決して特殊な病気ではありません。
統合失調症を発症しやすいのは、10代後半の思春期から20代といわれています。
単純に「育て方」や「環境」、「遺伝」の問題だけで発症につながるのではなく、学校生活・社会生活から生じるストレスなども関係があり、さまざまな要因が関与していると考えられています。
根本的な原因はまだわかっていません。
何らかの脳の機能異常と心理社会的なストレスなどの相互作用が関係すると考えられています。
糖尿病や高血圧を治療するように、統合失調症も、治療によって症状が良くなります。
症状が出ないようにお薬を続けながら、十分な休息やリハビリテーションなどを合わせた治療により回復することができます。
統合失調症の治療で必要なのは、"長期予後を見据えた治療"
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出来る限り再発を防ぎ
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精神的・身体的に良好な経過を期待でき
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長期にわたり治療が継続できるような薬を選択する
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(必要に応じて剤型の選択ができること)
ことが必要です。
統合失調症の最近の治療とは
当院では統合失調症の患者様に対して、持効性注射剤(LAI: Long Acting Injection)の治療が可能です。
多くは月に1回の注射で効果が持続します。
LAIの適応かどうかは、一度受診してご相談ください。
LAIにはいくつかの種類がありますが、基本的に同成分の内服薬が問題なく服用できる方が対象となります。
これは注射をすると一定期間薬剤が体内に残るため、副作用の出現を防ぐためです。
LAI治療のメリット
薬の飲み忘れなどから調子を崩すことが減り、頻繁な外来受診や入院を防ぐことが出来ます。
また内服薬の種類を減らすことができ、全体として生活の質の向上が期待できます。
統合失調症では一般的に、定期的な服薬が必要ですし、
ご家族や主治医から「薬をきちんと飲んでいるの?」とよく確認されると思います。
LAIにはそのような煩わしさが軽減するメリットがあります。
もちろん統合失調症に対する通常の服薬治療も行っております。
他の病院・クリニックからの転院のご相談でも、お気軽にご来院ください。
その他
尚、統合失調症の治療は定期的な通院が必要ですので、
自立支援医療などの公的支援制度を用いたほうが負担が軽くなります。
自立支援医療を利用中の方は、医療機関の指定を当院へと切り替えてご利用ください。
また、まだご利用でない方は診断書を当院で作成することも可能ですので、ご相談ください。
医療法人社団結糸会 おりたメンタルクリニック