コロナうつについて(心療内科・精神科)
新型コロナウィルス(COVID-19)の感染拡大に伴い、不要不急の外出自粛を求められております。
自分が感染してしまうのではないかという直接的な不安以外にも、自粛が続くことによるフラストレーションから様々な精神症状を呈する方は多くいらっしゃいます。
また、在宅ワーク・テレワークなどで働き方が急激に変わり、対応できずにうつになってしまう方も見受けられます。
"コロナうつ"としてニュース・ワイドショーなどで取り上げられることも多い症状ですが、これらについて見ていきましょう。
新型コロナウイルス(COVID-19)関連のメンタル面での影響は??
新型コロナウイルス関連でいらっしゃる患者さんの訴えは多岐にわたります。
おおまかに分けると、下記のように分類できます。
1.自分や家族が罹患してしまうのではないかという、 感染の直接の不安。
2.業績悪化などによる経済的な打撃など、感染がまん延することによる間接的な不安
3.自粛による生活の制限、連日のテレビ報道が続くことなどから引き起こされる不安
4.テレワークなどの就労環境・日常生活の環境変化に伴う不適応
5. 慢性的な運動不足、生活習慣の乱れによる身体的・精神的な症状
このような状況では自分自身のメンタル面を健康に維持することも非常に大切です。
不安が続く状態が続くと、次第に気持ちが落ち込み、何もやる気にならないなど徐々にうつ状態へと進展していきます。
不安、気分の落ち込み、不眠、そういった症状が続くようであれば、一度受診をお勧めします。
外出や運動を避けることで生活リズムが乱れ不眠になる、家にこもることで何となく気分が晴れない、あるいは連日のニュースや報道で不安を煽られるなど、元々健康な人も次第にメンタルを病んでしまいがちです。症状が悪化する前にメンタルの専門家に相談していただければ幸いです。
仕事への影響
あらゆる業種でテレワーク・在宅ワークを取り入れ、自宅で仕事をする機会が著しく増えました。
これまで対面でコミュニケーションが取れていたものが、画面越し、あるいはチャットツールなどで文字のみのやり取りになり、円滑に人間関係を築くことも難しいケースもあります。
新入社員、転職したばかりでテレワークになると、顔と名前が一致しない状態で仕事をしなければならないストレスが著しいと思います。
慣れた相手でも対面でないため細かいニュアンスが伝わらずに、思わぬところで傷ついてしまったり、誤解を生んでしまったりという経験は多いのではないでしょうか。
コミュニケーション以外でも、在宅ワークにより日常生活・プライベートの場に仕事が侵入してくることで、生活にメリハリがなくなり、うつ状態を呈する方も居ます。
通勤もなくなることで、全く家から出ないという方もいらっしゃいます。そうなると、完全に運動不足になりますし、全く日を浴びない生活になります。
それだけでうつ状態になりやすいいくつもの要因を抱えていることになります。
「意欲がわかない」「頭の働きが遅くなった」「ミスが増えた」「うまく睡眠が取れなくなった」など、コロナうつと称される方の訴えは様々ですが、いずれも仕事や日常生活に大きく支障が出るものばかりです。
服薬治療の前に、生活リズムや運動などの習慣から改善していきたいところではありますが、必要に応じて治療をしていくことも出来ますのでご相談ください。
うつ状態が強い場合には、休職や職場環境の調整を行う必要もあるため、相談の上診断書作成することも可能です。
クリニックへの通院は大丈夫??
新型コロナウイルス(COVID-19)による東京都からの自粛要請に、診療所への通院は該当いたしません。
当院では院内の換気の徹底はもちろん、次亜塩素酸による空間除菌脱臭機(ジアイーノ)を待合室で常に稼働させております。
また当院は待合室のみでなく、同フロアのより広い多目的スペース(ペロペパ)での待合も可能です。
20-25人程度収容できる空間ですので、より安心してお待ちいただけるかと思います。
また再診の方につきましては、電話などでの診察で処方を行うことも可能な措置がとられておりますので、受診の不安がある方は当院までご連絡ください。
普段過ごし方は??
このような時にどう過ごせば良いか、難しい問題です。
当院の提案として、次の3点に気をつけて過ごしていただければと思います。
1.これまで通り規則正しく生活すること
仕事が在宅勤務になるなど、生活環境が大きく変わっているかもしれませんが、普段どおりの時間に起きて食事を摂り、夜ふかしをせずに寝ることが大事です。またテレワーク・在宅ワークだとしても、朝きちんと着替える、メイクをするなど身だしなみを整えることはとても大切です。在宅勤務の場合でも、通勤代わりに散歩などを行うよう気をつけましょう。
2."3密"を避けて運動すること
家の周りの散歩、部屋やベランダでのストレッチなどでも構いません。日光を浴びて適度に体を動かすことは非常に効果的です。自宅での自粛では、運動量は格段に減少します。できる限り体を動かすように心がけましょう。
3.誰かと話すこと
直接会わなくても、電話やビデオ通話でも構いません。家にこもりがちになり、人とのコミュニケーションも失われがちです。「テレワークになって、雑談の重要さを実感した」という方は多くいらっしゃいます。他愛もない内容でも誰かと会話するだけで随分と楽になりますので、できる限りコミュニケーションを取るように心がけてください。
ストレス解消法について
ご自身で出来るリフレッシュ法を、患者さんとも相談しております。よく出てくる自宅での過ごし方は、以下のようなものがあります。
"3密"を避ける環境での散歩、ウォーキング
室内でできるストレッチ、ヨガ、 体操などの運動
映画鑑賞、音楽鑑賞
これまで後回しにしていた読書、資格勉強を始める
興味のあった副業などを始めるなど
可能な限りストレスを溜め込まないような生活を心がけていきましょう。
記載:おりたメンタルクリニック医師
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