メニュー

休職について(心療内科・精神科)

真面目な人が 生き生きと暮らせる 世の中を目指して

 

当院は"休職の診断"、"治療"、"復職支援"まで、働く人をトータルにサポート致します

 

 


目次

【休職の相談先】

【休職について】

【休職中の過ごし方】

【復職後】

【休職について-その他-】

 


 

おりたメンタルクリニックの休職相談

 

当院は東京都内で一般的な心療内科・精神科の診療全体を手掛けておりますが、その中でも休職のご相談など、仕事絡みのご相談をお受けすることが非常に多いクリニックになります。

また当院はリワーク施設を有しており、休職から復職までトータルでサポートできる点が、当院ならではの強みと言えます。

 

東京都中央区に位置しているため、近隣の企業で働かれている方も多くいらっしゃいますが、埼玉、千葉、神奈川など首都圏近郊からも非常に多く来院されております。

まずはしっかりと診察を行い、休職・復職については患者様の希望も伺い判断しております。

休職から復職までしっかりサポートいたしますので、安心してご相談ください。

休職が必要な旨、当日に診断書を発行することも可能ですので、診察の際にお気軽にお伝え下さい。

目次へ戻る

 


 

全国向け、メンタルヘルス科のオンライン休職相談

 

当院に通院困難な遠方の方も、当院の休職相談を受けられるようになりました。

メンタルヘルス科はオンライン診療専門となっておりますので、遠方にお住まいの方なども全国からご相談頂けます。

当院通院可能な範囲にお住まいの方でも、もちろんご利用いただけます。

メンタルヘルス科のホームページはコチラから

 

目次へ戻る

 


 

 

休職の必要性について

 

「仕事に行きたくない」は甘え?→いいえ、それも立派な症状の一つです。

 

長時間労働、パワハラ・セクハラ、人間関係の悩み、自分に合わない職場環境から「朝仕事に行くのが辛い」「会社に行けない」という方は多くいらっしゃいます。

それは、ストレス性の疾患である"適応障害"と言われる状態かもしれません。

場合によってはさらに重い"うつ病"になっている可能性もあります。

 

実際に当院でも、新卒での入職・入社や、転職、異動などの環境の変化、各種ハラスメントからストレスを抱え、「休職したい、疲れた」と多くの方がご相談にいらっしゃいます。

本当に辛い時、「逃げること」は悪いことではありません。

自分を逃してあげることは、自分でしか出来ません。早めにご相談下さい。

 

 

「こんなことで悩んでいるのは自分だけ?」→そんなことはありません。当院では同様のご相談をたくさん受けております。

 

仕事上の悩みから、適応障害うつ病などメンタル面の不調を引き起こし、休職しなければならないことは、決して珍しくありません。

「仕事に行けない」あるいは「仕事に行くのが辛い」というのは、心療内科でよく見られる一般的な症状の一つです。

それ以外にも気分が落ち込む、意欲がない、眠れない、食欲がない、集中力が落ちて仕事が手につかないなど、症状は患者さんによって様々です。

特に仕事をされている方は、「頭の働きが悪くなった」「仕事のスピードが落ちた」「記憶力が悪くなった」などの症状で来られる方が多いです。

何らかのストレスからそういった症状が出ている場合には、早めに当院のような心療内科・精神科へご相談ください。

休職すべきかどうか迷っている場合も、診察の際にご相談いただければ幸いです。

 

問診や診察から、診断基準を満たすかどうかにより、うつ病や、適応障害、抑うつ状態などの診断に至ります。

休職の主な原因となる適応障害はコチラで詳しく取り上げています。

(適応障害とうつ病の違いについては、コチラのページをご参照ください。)

 

目次へ戻る

 


 

 

仕事に行けない場合は、「休職などの環境調整」が必要

 

仕事に行けない、行きたくない場合の対応は大きく分けると2つです。

環境調整

一つは休職や部署異動などの職場の環境調整です。

医師が発行した診断書を職場に提出し、休職や異動などの対応を行います。

 

休職期間は2〜3ヶ月程度になることが多いですが、患者さんによって期間は変わってきますので、相談しながら決定することになります。

まずは暫定的に1〜2ヶ月休職と診断書に記載し、その後は必要に応じて延長するケースが多いと思われます。

もちろん当初の見立てより早く良くなった場合には、切り上げて復帰することも可能です。

 

職場の人間関係や上司によるパワハラなどが原因の場合には、復帰する際に再度診断書を提出し、部署異動などを条件にすることもあります。

長時間労働など業務量が原因の場合には、一旦休職したあとに、業務量の軽減を条件とした上で戻ったほうが良いでしょう。

 

また休職せずとも、診断書に病名や業務量軽減が必要との内容をお書きして、職場に提出することも可能です。

ただしあまりにも労働環境が劣悪であったり、理不尽な対応を受ける職場であれば、転職や退職など、仕事環境を大きく変える必要がある場合もあります。

 

 

服薬治療

 

もう一つは服薬治療により、うつ状態や不眠、不安などを改善する方法です。

落ち込んだ気持ちや意欲を元の状態に戻す抗うつ薬、不安や感情の不安定さを落ち着ける安定剤、不眠を改善するための睡眠薬・睡眠導入剤などをいずれか、あるいは組み合わせて処方することがあります。

ただし当院ではお薬は必要最低限として、「薬を使いたくない」という患者さんに無理強いすることはありません。

 

お悩みの内容や、調子を崩した原因については患者さん一人ひとり異なります。

それ故、対応も患者さん毎に異なり、一つの正解があるわけではありません。

 

当院では環境調整や服薬治療、患者さんの個別の対応を模索しながら、少しでも状態が楽になるように治療していきます。

診察を通じて、どのような対応が患者さんにとって一番良いかを、相談しながら決めていきます。

目次へ戻る

 


 

 

休職の流れ

 

休職の手続き

 

まずは医師による診察が必要です。

診察の結果、休職が必要と判断されれば診断書が発行されます。

診断書の内容としては、病名、症状、休職の期間などが記載されます。

その診断書を職場に提出して頂き、その後出勤はせずに自宅で療養することとなります。

多くの場合直属の上司に提出しますが、会社によっては人事部や総務など提出先が異なることもあります。

また、どうしても職場に行けない場合には、電話で休職の指示を受けた旨を伝え、診断書は郵送で送る方もいらっしゃいます。

 

休職中の通院

 

休職中は2週間〜1ヶ月に1回、通院を行います。

休職中の経過を見ながら、必要に応じて休職期間を延長します。

患者さんによってはリワークプログラムなどを利用し、復帰に向けて調整を行います。

医師が仕事に戻っても問題ないと判断した場合は復職の診断書をお書きします。

それを元に会社によっては産業医が復職の可否について判断し、問題なければ復帰となります。

復職後もしばらくは定期的に通院し経過を見る必要があります。

 

休職中の過ごし方

 

まずは仕事から距離を取って、しっかり休むことが大切です。

会社から離れても、メールをチェックしたり、業務に関する連絡をしたりという生活だと、気持ちは全く休まらず、焦りばかり生まれて逆効果になります。

体調を最優先に考え、業務からしっかり離れ、何もせずぼーっと過ごすことが必要です。

数日から1-2週間そのような時間を取り、少しずつ気分が上向いてきたら、散歩や外出をして、外の空気に触れるようにしましょう。

その後は主治医と相談しながら、生活の目標を立てて過ごしていくことが望ましいです。

休職中に人生に関わるような大きな決断は避けたほうが良いため、何かありましたら主治医に相談してください。

また休職期間中は、朝起きて職場に行く必要はありませんが、生活リズムを乱さないように気をつけることが大切です。

常識的な時間に就寝・起床して、日中にある程度活動できるように心がけてください。

リワークプログラムなどを行うことで、復職に向けてスムーズに進めることも可能です。

一人で休職することに自信がない場合や、どう過ごしていいか分からない場合などは、お気軽に相談してください。

 

休職中の過ごし方については、コチラに詳しくまとめてありますので、ご参照ください。

 
 

 

休職後の復帰について

 

休職期間が終わった後、どのように復帰するかは患者さんによって異なります。

同じ部署に戻る方もいらっしゃいますし、元の職場に問題があるようであれば部署異動や配置転換などを条件として診断書を書くこともあります。

産業医がいる職場であれば、主治医より復帰の許可が出たあとに産業医との面談を行い、最終的な復帰の判断を産業医が行います。

いずれにしろ、「少し良くなったから戻る」となると、復帰後またすぐに悪化してしまう可能性があります。

良くなってからしばらくの経過観察期間をとって復職したほうが良いと思われます。

また休職したもののやはり元の職場への復帰が考えられない場合には、そのまま退職、あるいは転職となるケースもあります。

条件を満たせば退職後も傷病手当金を受け取ることはできますので、ご自身の健康保険組合までお問合せください。

 

目次へ戻る

 


 

 

休職中の収入について

 

休職中は給与はどうなる??

→傷病手当金を申請しましょう。

休職する際に一番気がかりなのは、やはりお金の問題ですね。

休職したのはいいけれど、今度は経済的な不安が出てきて・・・という方も多いですので、こちらでお答えします。

 

休職中の給与の扱いは会社によって異なります。

有給休暇が余っている場合には、まず有給消化とする会社もありますし、独自の病気休暇制度を持っている会社もあります。

また休職中は健康保険組合により、給料の一定額が支給される"傷病手当金"という制度もあります。

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3040/r139

多くの会社・組織では、休職中にこちらの傷病手当金を利用します。

 

患者さんによって多少の差はありますが、ざっくり言うと給料の3分の2程度が支給される制度です。

支給を受けるためには、傷病手当金申請書に医師による記載・サインが必要となります。

 

注意しなければならないのは、医療機関では初診日以降の分しか診断書で証明できない点です。

これは患者さんとお会いする前の期間については、医師として症状を証明することが出来ないからです。

そのため、「もっと早く受診すれば良かった・・・」と後悔される方もいらっしゃいますので、お気をつけください。

 

傷病手当金申請書をお持ちの方は、"請求期間"を確認の上、受診時にお持ちください。

※記載できるのは、記載する日までの期間となります。

※記載日以降の未来の日付については記載できませんのでご注意ください。

 

傷病手当金申請書(用紙・フォーマット)は職場から貰えます。

ご自身でのダウンロード・印刷を指示されるケースもあります。

保険証・健康保険組合が"協会けんぽ"の場合、申請書はこちらからダウンロードすることも可能です。

 

また傷病手当金申請書には当月の診察日を記載する欄があります。

全く診察していない月は事情に関わらず支給申請書の記載が出来ません。

申請書をお持ちいただいても、診察がない月は記載をお断りしております。

なので1ヶ月以上受診しなかった場合は傷病手当金が受け取れません。

2週おきの受診であれば問題ありませんが、月に1回の受診の方はご注意ください。

最終的な支給の決定に関しては各保険者の判断になりますので、ご了承ください。

 

傷病手当金についてはコチラにも詳しくまとめてありますので、ご参照ください。

 

 

目次へ戻る

 


 

 

 

傷病手当金の例

実際の傷病手当金申請書

ここでは"協会けんぽ"や"関東ITソフトウェア健康保険組合"の傷病手当金申請書の記載について掲載します。

休職に入ると職場からこのような書式を貰えますので、クリニックにお持ちください。

主治医記載欄に必要な事項を記載致します。

 

協会けんぽ・患者さん記載部分の一例

関東ITソフトウェア健康保険組合・患者さん記載部分の一例

協会けんぽ・療養担当者記載部分の一例

関東ITソフトウェア健康保険組合・療養担当者記載部分の一例

こちらの申請書は、その月に就労不能であったことを証明するためのものですので、1月分の申請書であれば、2月以降にお渡し可能となります。

未来期間の証明はできませんのでご注意下さい。

※1月半ばに1月末までの証明を希望されても、記載できませんのでご了承下さい。

※ご不明な点は受診時にお聞き下さい。

 

その他、傷病手当金についてはコチラもご参照下さい。

オンラインメンタルヘルス院「傷病手当金について」

URL: https://online-mental.com/shoubyou

目次へ戻る

 


 

自宅療養について

服薬治療や心理療法と同じくらい大切なことが"生活療法"です。

これは「ただ休めばいい」というものではありません。

短期間(約1ヶ月)の自宅安静はあまり望ましくはありません。

自宅安静では思い切って"長期間休む"(=理想は3ヶ月程度)ことが大切です。

疲弊した心身の状態が回復するため、また再発の予防には時間が必要だからです。

 

 

休息期(1ヶ月)

・徹底的に何もしない時期

・何もしないことを積極的にする時期

→仕事に対して無責任になることが大切。職場に関するものをすべてシャットアウトして、復職を考えることもNGです。

だらだらすることは復帰するためと割り切り、社会的な存在としての自分を一旦解き放つことが大切です。

 

活動期(1ヶ月)

・快(自分にとって楽しいこと)を得る。

・体力の回復、再発の防止

→だらだら期でチャージした気力と体力を使って、楽しみながら活動範囲を広げます。ただし体力が低下しているため、無理は禁物です。

 

復職準備期間( 1ヶ月)

・休職に至った外部環境要因を調整する。

・心理療法などを用いて、ストレスとなった原因への対処法を学び復職を目指します。

→不安が高まる時期でもありますので、不安やストレスへの対処法を学んだり、考え方や捉え方の癖を変える学びを行う。

 

復職までのポイント、流れについてはコチラにも詳しくまとめてありますのでご参照ください。

 

目次へ戻る

 


 

療養中の睡眠

 

ストレス社会である現代において、5人に1人は睡眠不足や不眠などの眠りに関する悩みを抱えていると言われています。

休職中、復職後とも規則的な睡眠をとることが、症状改善のためには不可欠です。

睡眠には深い眠りのノ ンレム睡眠(脳の眠り)と、浅い眠りのレム睡眠(身体の眠り)があります。

眠りにつくとまずノンレ ム睡眠があらわれ、次にレム睡眠へと移行します。

私たちの眠りはこれら性質の異なる 2 種類の睡眠で構成されており、約 90 分 周期で一晩に 4~5 回一定のリズムで繰り返されています。

睡眠は、身体の休息はもちろん、脳が休息するための大切な時間でもあります。

身体の疲れは横になって身体を休めるだけでもある程度回復できますが、知的活動を行う大脳は起きている限り休息することはできません。

そのため、睡眠を通して脳を深く眠らせて、精神的な疲労も回復させることが大切です。

また、睡眠中は、健康維持・増進、成長、老化の進行を抑制するなどの何種類ものホルモンが体内で分泌されています。

このように、心と身体の健康を保つために睡眠 はとても大切なのです。

 

快適な眠りをつくる習慣

・3食を規則正しく、腹8分目

・適度な運動を毎日の習慣に

・夜はリラックスして過ごす

・喫煙を避ける

・カフェインを避ける

・飲酒は適度に

・眠くなってから布団に入る

・起床時間を一定にする

・眠れないときは寝床からでる

 

睡眠環境を整える

[寝室環境]

・カーテンや二重窓で騒音や光を遮る

・部屋全体の証明を消して明るさのコントロールをする

・温度設定を変えてみる

・部屋の湿度を50〜60%にしてみる

・寝具や夜間着をかえてみる

・アロマテラピーとして、オイルを数滴おとしたティッシュやハンカチを枕元においてみる

 

睡眠対策は年代に応じて

・若年世代:正しい睡眠習慣を身につける(夜ふかしは避ける、規則正しい生活)

・勤労世代:睡眠不足にならたいための工夫を(睡眠が確保できなかった翌日は、短時間を仮眠をとる)

・シニア世代:無理に寝ようとしないことが大切(眠くなってから床につく、日中に適度な運動を習慣にする)

目次へ戻る

 

 


 

リワークの活用

 

精神疾患から復職するときの企業の支援体制などには法律的な規制はなく、各企業の裁量にまかされています。

そのため、復職時に手厚い支援体制があるとは限りません。

リワーク施設では、復職後の再発の予防のために、休職中に利用できるさまざまなプログラムを用意しています。

またスムーズな復職に繋がるよう、身体と心の回復度に合わせて復職までのサポートを行います。

詳しくはコチラをご参照ください。

 

<リワークプログラムのステップの一例>

 

目次へ戻る

 


 

復職後

復職直後は、まだ微妙な状況です。

自宅安静が解除されたという意味では健康な状態により近くなっていますが、周囲の同僚たちと同じように仕事をこなすには少し不安が残る状態です。

周囲からは健康とみなされ無理な量の仕事や責任を押し付けられたり、逆に過剰に気を遣われたりと、対応が難しいことも時々あります。

ここで大事なのは、"「復職」=「治癒」ではない"ことを忘れないことです。

寛解している状態ではあるものの、完治ではなく再発する可能性もあります。

この再発には、復職者の3つの心理的な要因が大きいと言われています。

1. 長欠感情の壁、2.職場滞在の壁、3.パフォーマンス回復の壁、それぞれについて見ていきましょう。

 

1. 長欠感情の壁

 

長欠感情(長い間休んでいたことにより出現した感情)の壁は、職場から長期間離れていたことによる不安です。

業務そのものより上司や同僚など、人に対して抱かれます。

3つの長欠感情

・劣等感:「周りは頑張っているのに自分だけできない」

・孤立感:「誰も声をかけてくれない」、「腫れ物に触るように扱われている」

・罪悪感:「力になっていなくて申し訳ない」

特に復職後1週間ほどの期間に意識されることが多く、周囲からのフォローやケアがないまま強く意識されてしまうと復帰早々の再発につながります。

 

これらの感情は復職前に抱いた不安の延長とも言えます。

克服するためには、「自分が復職者である」という状況にあることを、まずしっかり認識しましょう。

ある意味「周囲と同じようにできなくて当然」「配慮されるのが当然」と開き直る、割り切ることが大切です。

まずは「出勤して帰宅する」ことをしっかり続けていくことに集中し、復職後1週間を乗り切ることだけを目指しましょう。

最初の1週間を乗り越えると不安は徐々に解消されていくと言われています。

周囲に迷惑をかけてしまうことへの穴埋めは、それからでも十分という考えを大切にしましょう。

 

2.職場滞在の壁

 

職場復帰後は多くの場合一定期間の軽減勤務となり、この間は仕事の量も少なく大きな責任を伴うこともありません。

それは職場側の配慮であり必要なものですが、必然的に業務が薄くなり忙しく働いている周囲との差を復職者は嫌でも感じることがあります。

結果、周りを見渡しては「自分は貢献できていない」「存在価値がない」「不甲斐ない」など、ネガティブな感情に苛まれることも少なくありません。

これが職場滞在の壁になります。

この感情のゆらぎはある程度致し方ないですが、長期化すると抑うつに発展してしまう可能性もありますので、放置することはNGです。

 

これを克服するためには、周囲と比較しないことが大切です。

今まで休んできたのですから、周囲と比べてパフォーマンスが悪いのは当たり前です。

しかし現場での居心地の悪さに過剰にとらわれてしまうと、自分を見失うことにも繋がります。

自信の低下からネガティブ思考になり、結果的に適応障害の再発につながることもあります。

この状態を防ぐために「自分は(今だけ)特殊な状態にある」「周囲とは事情が違う」「自分のペースで」と、できるだけ客観的に自分を見ることが大切です。

 

3.パフォーマンス回復の壁

 

この壁は「長欠感情の壁」と「職場滞在の壁」を突破した後、最後にぶつかる壁になります。

周囲は徐々に復職者を戦力と考えるようになり、仕事が増え責任が増していきます。

しかし復職者は休んでいた負い目から無理をしていたり、頑張っていはいるけど本来の力が出し切れていないと感じていたり、周囲の評価と復職者の心理とのあいだに微妙なズレがあるかもしれません。

このズレがどんどん拡大すると、業務負荷がさらに大きくなったり、突発的な問題が生じたときに対処できなかったり、心身の不調の再発につながる事もあります。

 

この壁は上長や同僚を含めた職場全体と、復職者本人の双方が作っている壁になります。

克服するためには、相談する、挽回の力を信じることが大切です。

 

・相談する

職場のスタッフや産業医、主治医など、第三者による評価と助言が大切です。

月1回程度の産業医面談や、2週間に1回程度の主治医の定期受診を欠かさないことが再発防止につながります。

悩みや葛藤は遠慮なく周囲に相談し、一人で抱え込まないようにしましょう.

 

・挽回の力を信じる

本来の役割を果たせなくても、「今はまだ難しい」「これが現時点で発揮できるパフォーマンス」と、客観的に自分自身の状態を把握し、現状を受け入れることが 大切です。

「今は難しいかもしれないけど、"いつかできるはず"」と”今”ではなく”未来”につなげることが大切です。

目次へ戻る

 


 

復職後の経過

 

 

適応期:復職~3 カ月目

 

▶職場復帰してから数カ月は一般的に「通勤するだけで精一杯の段階」

職場の問題と関係して休職した方の場合、この時期に再発の可能性が高いので注意が必要です。

復帰直後は朝の通勤の疲労に加え、周囲に引け目を感じてしまう方もいらっしゃいます。

職場に身をおいているだけで緊張してしまい、心身共に疲労困憊してしまうこともあります。

 

一方、職場は比較的配慮ある受け入れをしてくれて「無理をしないでね」という雰囲気であることが多いようです。

しかし復職後間もない場合は、それさえプレッシャーに感じてしまうこともあります。

この時期は「疲労回復と不安、緊張の軽減」を最優先にし、翌日に疲れを残さないことが大切です。

毎日の睡眠や休息の重要性を理解し、疲労の解消に努めましょう。

また病気になる前に自分が働いていたころのイメージと、現在発揮できるパフォーマンスには差があります。

徐々に本来の力が発揮できるようになっていくため、引け目や焦りなどが出てきたら積極的に発散し、引きづらないようにしましょう。

 

 

回復期:4 カ月目~6 カ月目

 

▶ 復帰して 3 カ月間が過ぎ、 4 カ月目以降から半年 では、「病状再燃の危機の段階」

この頃になると、病気明けで寛容であった雰囲気も徐々変化し、通常の業務遂行を期待し始めることがあります。

上司の期待に応えようと本人の就労意識も高まっていきますが、実際にはうまく仕事をこなせないこともあります。

周囲の期待に答えられず、無力感を抱いたり、憂鬱な気分が続いたり、更に症状が悪化すれば頭が働かなくなり欠勤につながることもあります。

そのため、実はまだ調子が良くない、パフォーマンスに限界がある場合には、上司や産業保健スタッフなどにきちんとそのことを伝えておくことが大切です。

また自身の思考・行動パターンの再確認を行い、現在の働き方の振り返りをしていくことが大切です。

 

 

安定期:7 カ月目~1 年経過

 

▶ 復帰後半年を過ぎてから 1 年に差し掛かる頃が「真の復職の段階」

「働いているのが当たり前」となってくる段階です。

働き方としては、職場で特別扱いされることなく残業もこなし、周囲の期待にもある程度答え、自分でも満足感を得られる時期にもなります。

しかし、一歩間違えると休職前と同じ働き方となってしまい、症状再燃のリスクも潜んでいます。

そのため、この時期には「新しい働き方の実践と定着」に積極的に取り組んでいく必要があります。

 

 

目次へ戻る

 


 

よくあるご質問

 

Q. 当日に診断書もらえる??

Q. 今のところ無理すれば仕事に行けそうだけど・・・??

Q. 休職中の受診の頻度は??

Q. 休職中に運動などはしてもいい??

Q. 傷病手当金について気をつけることはありますか??

Q. 傷病手当金申請書は郵送でやり取りできる??

Q. 診断書、傷病手当金のデータでのやり取りはできる??

Q. 職場の上司や人事担当者と面談できる??

Q. 労災の証明は可能?

Q. 初診からオンライン診療は可能ですか?

 

 その他についてはQ&Aもご参照ください。

 

目次へ戻る

 


 

まとめ

もっと自分中心でいい

休職に至る方の傾向として、「自己犠牲的に仕事に忠実」な人が多いです。

こういった方は課せられた目の前の仕事をこなすことを最優先し、たとえ身体を壊しても仕事から離れないということも少なくありません。

身体を壊してまで、あるいは命を削ってまで行う仕事はなく、まずは自分を大切にする必要があります。

 

もしも仕事によって体調に変調をきたした場合、一度立ち止まり「身体を壊してまでやる仕事だろうか?」と自問することが大切です。

時にはしっかりと休んで心身のケアを行い、自分自身の心、身体、ひいては人生を豊かにすることを優先しましょう。

 

 

 

ここまでお読み頂いてありがとうございました。

病気と向き合うことは自分を理解することにつながり、理解することで自身をコントロール(セルフコントロール)することができます。

病気について適切に学び、的確に原因に対してアプローチすることが大切です。

当院では休職開始から復職までしっかりサポートしたいと考えております。

 

何かありましたら、いつでもご来院お待ちしております。

目次へ戻る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

記載:おりたメンタルクリニック医師

 


 

 

オンライン診療メンタルヘルス院について

 

休職相談を扱う"オンライン診療専門"の

「オンライン診療メンタルヘルス院」もあります。

休職について悩まれている方は、お気軽にご相談ください。

 

 


 

 

 

 

 


 

 

 

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME